経験が一番大切
子どもたちに経験をさせるという観点から、色々なことに例えてみよう。
例えば、幼稚園の先生たちは園児たちが怪我をしないように最善の注意を払う。
しかし、走り回って擦りむくことまで辞めさせる必要があるのか。
擦りむくことを辞めさせるには、走り回ることを辞めさせるしかない。
公園の縁石からジャンプすると危ないから辞めさせる。
危ないことを園児たちから全て取り上げてしまう。
これが今の日本のルール化されたやり方だ。
小学生において言えば「木登り禁止」と同じ発想かもしれない。
危険とは、その度合いによってチャレンジしていい事とそうでない事に区別されると思う。
何でもかんでも危険だからと大人が制限をかけて、子どもたちが伸び伸びと成長できるわけがない。
むしろそれが危険か危険じゃないかを子どもたちが分かるようになった時に、その子が判断できるようになるのだと思う。
道路を規則正しく渡るのは日本人くらいなもので、世界では車が来なければ赤信号だろうとバンバン渡る。
それは信号というルールを守る日本人の真面目な部分かもしれない。
判断とは、サッカーにおいて一番大切な部分であり、一番楽しい部分でもある。
サッカーにサインプレーはなく、自分で決めるプレーしかない。
とっさの判断は自分のイメージと体が繋がった時にできるもので、何も考えていないとコーチの言われたことしかできない。
何事も自分で判断して決められる、そういった生活環境が少しでも出来るように、私が練習や試合を見ているときは意識している。
それでも選手たちが行き詰まった時に、声をかけてあげられる指導者が一番良い指導者だと私は思う。