グレイシー柔術
振り子打法はプロでは通用しない。
当時オリックスの監督であった土井正三のコメントだ。
ドラフト4位でオリックスに入ったイチローは、二年目まで一軍に定着出来ないでいた。
それは上記に基づく。
しかし三年目以降、仰木彬監督に変わり直ぐさま見出された。
そして今や日本人では知らない人がいないプロ野球選手になった。
日本人は型にハメるのが好きな人種である。
それは道徳的な話に繋がるかもしれないが、自分がこうやって来たから正解はこうだと信念を曲げない。
私の一番嫌いな言葉だ。
過去にそれで成功してきたからと言っても、それを導き出す成功への道筋は他にも沢山あるはずだ。
それを踏まえれば、どんなやり方でも結果一流になれば同じである。
成功者は、さぞかし素晴らしい事を成し遂げているのかもしれないが、それ以上の選手を作らなければ自分よりも上の選手など出来る訳がない。
静岡学園を一年で中退し、ブラジルに渡った三浦知良も井田監督にこう言われたという。
『99%プロになるのは無理』
カズはそこで、こう思ったという。
『1%の可能性があるならブラジルに行く』
あまりにも有名な話だが、自分がカズの親だったらどんな気持ちになるだろう。
止める親が殆どではないでしょうか。
それには、16歳の少年が勝負の世界に飛び込める環境があったからこそ、今のキングカズがあるのだと思う。
きっと型にハメていたら、カズやイチローといった歴史に名を残す名プレイヤーは生まれていなかったであろう。