雪山は登りよりも下りの方が怖い。
第95回全国高校サッカー選手権大会も雪国青森県代表の青森山田高校の優勝で幕を閉じた。
この青森山田は、直前の高円宮杯U-18で見事優勝している超強豪チームでした。
高円宮杯とは、高体連の強豪校とJユースの強豪チームで争う真の日本一決定戦である。
普通に考えれば、Jユースが圧勝してもおかしくないこの大会で高校の青森山田が優勝した。
ましてや冬のこの時期ではまともにトレーニングすら出来ない環境と、試合相手が東北にはいない為、関東や中部でのリーグ戦を毎週のように戦うハードワークを強いられている。
しかしながら、そんな中で勝ち得た優勝だからこそ価値が見出せるのかもしれない。
黒田先生も移動距離と試合経験はどのチームにも負けない自負があると言っていた。
この比較対象になっているのが、あの黄金時代に王国を築き上げた国見高校の小嶺先生なのだ。
小嶺先生が国見高校の監督だった頃、長崎から関東への遠征は当たり前。
試合が出来るのならと自らの運転でどこまででも連れて行く。
その昔、立九のOBにも国見高校へサッカー留学した選手がいたが、その選手談では試合のデキが悪いと関東から長崎まで走って帰れと本当に走らされた事もあったという。
そんな小嶺先生よりも走行距離は負けていないと言っていた。
いずれにしろ、自分たちが成し得た経験に勝るものはなく、選手たちも逆境に強くなる。
そして今までやってきた事に自信を持ってプレー出来る。
その分野での成功者から学ぶ事は沢山あるが、走行距離に目を付けた黒田先生の考え方は全てに直結する気がする。
サッカーはサッカーの中で育てるというヨーロッパ式の考え方もあるが、日本では教育的見地が含まれる事が多い。
どちらが良いかは一概には言えないが、日本人はサッカーを通して何か色々な事を求めたり促したりする事が多いように思う。
その結果、一番大切部分を見落としがちになる。
根本的に自分たちがどうしたいか、何をしたいか、どうなりたいか、など目標や目的をどんな指導者でも持っていると思うが、そこがズレてくるとチームはガタガタになる。
立九も走行距離で一番を目指し、将来はみんな長距離ドライバーを目指してもらう事にする。